有効証拠金率が50%を割ったら
証拠金の何倍、何十倍もの外貨を取引できるのがFXの大きな魅力であり、同時にリスクでもあります。これは投資家にとっても業者にとっても同じこと。 FXは証拠金取引ですから、取引を維持するために一定水準以上の証拠金が口座に入っていることが条件になっていますので、ポジションを保有している場合に為替の変動があり、含み損が増えると、証拠金(有効証拠金率)が減っていくことになります。 そこで、業者によっては証拠金を大きく上回るような損失が出ないよう、マージンコールというルールをとって警告を発します。 通常、有効証拠金(維持証拠金率)が50%を割り込むと「マージンコール」が発生し、FX会社から警告通知が来るようになっています。業者によっては「アラーム通知」「アラームメール」などと呼んでいる場合があります。
マージンコールへの対策
マージンコールが発動された場合の対処は二通りあります。
一つは、上図の例でいえば追加証拠金(追証)を1万円以上入金して、維持証拠金率を50%以上に回復させること。そうすることで引き続き取引ができるようになります。
二つめは、そのポジションを店仕舞いしてたたんでしまうこと。つまり、取引を完全に終了してしまうことです。 もしも他に複数のポジションを持っていて含み損が発生している場合は、それらを閉じてしまうことにより、維持証拠金率が50%以上まで回復できる可能性もあります。
マージンコールは、すべてのFX会社が設けているルールではありませんが、これ以上損失を拡大しないための安全装置でもあります。 安易に追証をうつのではなく、レバレッジやポジションの数など、自分の投資方法が本当に正しいのかをもう一度考えてからでも遅くはありません。こうしたマージンコールは、FX投資への戦略の見直しをするには良い機会だとも言えます。 マージンコールに対して無策状態にしておき、維持証拠金率がたとえば20%を割った場合は、『ロスカット・ルール』により、強制的にポジションが閉じられます。 含み損をそれ以上拡大させないために、良心的に損失を限定してくれる機能が、強制決済システム『ロスカット・ルール』です。